ドラゴ・ナラティブ

世界から少しずれた誰かの、声にならない叫び。ささやかな祈り

「創作童話」の記事一覧

わんダフル!ビューティー 05

5 アフガンハウンドの強がり ぼくはこっそりと、ばあちゃんの家を出て、バラック小屋まで行ってみた。 犬たちはまるで飼い主の帰りを待ちわびていたかのように、さかんに尻尾を振り、近寄ってきた。 ぼくはわんダフルを取り出して、 […]

わんダフル!ビューティー 04

4 コミュニケーションツール「わんダフル」 ぼくはやっと事情がのみこめてきたような気がしてきた。 だがまだ良くわからないことがある。 「あなたの話を聞いていると、まるで犬から直接話を聞いてきたような印象を受けるんだけど」 […]

わんダフル!ビューティー 03

3 リストラされた研究者たち ゲートボール場を出て、村へ帰る途中に、公園によった。 公園から、スピーカーを通した演説が、聞こえてきた。 ネクタイを締めたサラリーマン風の男が3人と、 白衣を着た学者風の男女が十名ぐらい、公 […]

わんダフル!ビューティー 02

2 ゲート場の犬たち なげきの日々が続いたある日、 いなかのばあちゃんから電話がかかった。 明日から村に遊びに来い だとさ。明日から学校は夏休みなのだ。 ウィンキーのことが気がかりで返事をしぶっていると、ばあちゃんは 「 […]

わんダフル!ビューティー 01

1 ウィンキーの失踪 ぼくはヒデト。小学四年生。 去年の夏休みにうちのでぶ犬が家出したまま帰ってこないのが、もっかの悩み。 ぼくの母さんがウィンキーを無理やりダイエットしようとしたからにまちがいないと思っている。 あいつ […]