ネクロバズとむくつけき勇者たち 40 帰るべき場所 公開日:2025年1月15日 児童小説 40 ウインドベル自然科学研究所で、所長の結婚式が行われようとしていた。 空は晴れ渡っている。 雲ひとつない。 おまけに研究所の庭には、満開のチェリー・ブラッサム。 K4地区の人々の嬉々とした笑顔。 経費節約のつもりで教 […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 39 再生の春 公開日:2025年1月8日 児童小説 39 春の陽気が街に戻ってきた。 チェインバーグ市の中心部では、閉ざされていたシャッターが一つ、また一つと開かれていく。 商店街には人々の姿が戻り始め、かつての活気を取り戻そうとしていた。 パルチノン食品加工工場の事件か […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 38 ネクロバズ 公開日:2025年1月1日 児童小説 38 大バエは、チェインバーグ市街までやってきている。 商店街は全てシャッターを降ろしていた。 リプリーは繁華街を歩いていた。 時折、銃殺された大バエの死骸に出くわした。 大バエはマスメディアでは「ネクロバズ」という呼び […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 37 襲来 更新日:2024年12月26日 公開日:2024年12月25日 児童小説 37 その日の朝、小学生の男の子は、いつものように学校へ向かう途中でコンビニに立ち寄った。 店内のテレビから流れるニュースに、彼は足を止めた。 「チェインバーグ国定公園で発生した大規模な山火事の煙が、市街地まで到達してい […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 35 紫煙の監視者 公開日:2024年12月11日 児童小説 35 チェインバーグの深夜。禁猟区は荘厳な静けさに包まれていた。 密林の中を一台の大型トラックが駆け抜けて行った。トラックのキャビンは、木々の隙間を縫う月の光りを浴びて、まだら模様が流れていった。 トラックが森の奥のひら […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 34 ケンジの選択 公開日:2024年12月4日 児童小説 34 ケンジはレストラン「サム」へ顔を見せた。 リンダはチェインバーグからサムの元へ戻ってきているはずだったが、また勤めに出たとのことだった。 チェインバーグの頃に手にした賞与に味をしめて、近所のIC工場で働き出した。 […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 33 暗闇の銃声 更新日:2024年11月29日 公開日:2024年11月27日 児童小説 33 どれくらい気を失っていたのだろう? ケンジは朦朧として立ち上がった。 とにかく、考えるよりも行動しなければ。 ろくに考えられる状態ではないのだから…。 で、何をすればいいんだ。 クソ、停電で暗いな。ケンジは壁を伝い […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 32 深淵からの呼び声 更新日:2024年11月28日 公開日:2024年11月20日 児童小説 32 ケンジがハエに関する事の一部始終を、ノートパソコンに入力し終え最後のピリオドを打った瞬間、モニターが青白い光を放ったまま突如として消えた。 研究所全体が闇に飲み込まれるように、一瞬で静寂が支配した。 夜の八時を少し […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 31 狂いゆく男 更新日:2024年11月28日 公開日:2024年11月13日 児童小説 31 夜半、ウインドベルの研究所の通りに、黒いアウトランダーが止まった。 中にいる男は、上気した赤い顔をしていた。 男は後部席から、ゴルフバッグを担ぎ出した。 研究所の門をくぐり、建物の裏手に向かって歩いた。 酔っている […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 30 老いらくの恋と老婆心 公開日:2024年11月6日 児童小説 30 オットーとケンジは、研究所の事務室のデスクでコーヒーを飲んでいた。 オットーは毎年、年明けに研究所でコーヒーを飲むことにしている。今年はケンジがその相手だった。少し疲れた様子のオットーだったが、ジョークを連発してい […] 続きを読む