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合志屋敷の奥深くにある薄暗い部屋に、三人の男たちの姿があった。
窓からわずかに差し込む朝日が、彼らの顔を不気味に照らし出している。
部屋の隅には、大黒静香が横たわり、深い眠りについていた。
キリシタンの装いをした男、ドン・パルマは、静かに立ち上がると、窓際へと歩み寄った。
彼の背後では、モンテロとバルボアが緊張した面持ちで主の言葉を待っている。
「25年前の預言がついに実現する時が来たのだ」
ドン・パルマは低い声で言った。
「あの老いぼれた宣教師が語った人物に、やっと巡り会えた」
モンテロが首を傾げ「ドン、確かにあの御仁は力を持っているようですが、本当に預言の通りなのでしょうか?」と尋ねた。
ドン・パルマは微笑み、「疑う必要はない。我々の妖術が天変地異を引き起こし、ついにあの輩との出会いが実現した。長い祈りが実ったのだ」
バルボアが興味深そうに目を輝かせた。
「では、奴こそが我々のターゲットということですね」
「そうだ」
ドン・パルマは頷いた。
「あの人物を我々の使徒たちのリーダーに仕立て上げる。彼の力を借りて、キリシタン弾圧を進める松倉重政に対抗するのだ」
モンテロが不安そうに尋ねた。
「しかし、彼を説得できるのでしょうか?」
ドン・パルマは自信に満ちた表情で答えた。
「心配は無用だ。我々の呪文で彼を洗脳する。彼の洗礼名はジェロニモとしよう」
ドン・パルマはさらに続けた。
「そして、もし彼が洗礼を受け入れてくれるなら」
ドン・パルマは静香の方を一瞥した。
「この女も大黒屋に返すし、あの若い未来人たちを元の世界に返してやっても良い」
三人の男たちは、静かに頷き合った。
部屋の空気は緊張感に満ちていたが、彼らの表情には確固たる決意が浮かんでいた。
「さて」
ドン・パルマは再び窓の外を見やった。
「武蔵春信がもうすぐやって来るはずだ。我々の計画を実行に移す時が来た」
モンテロとバルボアは静かに立ち上がり、主の命令を待った。
静香は依然として深い眠りの中にあり、この陰謀の真の標的が誰であるかを知る由もなかった。
部屋の外では、陽の光が徐々に強くなり、新たな一日の始まりを告げていた。
穏やかな晴れの日だった。
しかし、この部屋の中では、歴史の軌道を曲げる試みが静かに進行していたのである。
つづく
