サイレント・レジスタンス 5 介護の日常 公開日:2025年5月28日 社会派フィクション 5 急いで決めた転職だったが、新しい職場の就業環境は思っていたよりもきちんとしていることがわかってきた。 高層ビルに囲まれた静かな公園エリアに、その介護施設はひっそりと佇んでいる。 入居者は約百人。自力歩行ができる高齢者 […] 続きを読む
サイレント・レジスタンス 4 手話が紡ぐ壊れた夢 公開日:2025年5月21日 社会派フィクション 4 僕は新しい職場、介護施設で働き始めた。 プログラマーの夢を半ば諦め、住んでいたアパートを引き払い、この施設の職員寮へと引っ越してきたのだ。 ここは家賃が周辺相場の半額以下で、食費を払えば安く食事も提供してもらえる。 […] 続きを読む
サイレント・レジスタンス 3 手のひらの言葉 更新日:2025年5月17日 公開日:2025年5月14日 社会派フィクション 3 施設の中は夕食の真っ最中だった。 大きなテーブルを囲むお年寄りたち。懐かしい光景だけれど、僕はこの日常に飽き飽きして辞めてしまった人間だった。 空の食器を抱えたジャージ姿の女性スタッフとすれ違い、僕は軽く会釈する。 […] 続きを読む
サイレント・レジスタンス 2 夕暮れの選択肢 更新日:2025年5月17日 公開日:2025年5月7日 社会派フィクション 2 ハローワークを出ると、僕はビル街をぶらぶらと歩き始めた。 近くには、すぐに面接してくれる老人ホームがあるらしい。一時間後に担当者と会う予定だった。 空はどんよりと曇っている。この街に来て、もう三年になる。 パソコンが […] 続きを読む
サイレント・レジスタンス 1 音のない街角で 更新日:2025年5月17日 公開日:2025年4月30日 社会派フィクション 1 灰色のコンクリート壁が道の両側に伸び、無秩序な落書きがその表面を覆っていた。 壁に挟まれた細い道の先で、大きなトンネルが口を開けている。一台の大型トレーラーがエンジンを唸らせながら、ゆっくりとその暗がりに吸い込まれて […] 続きを読む
サイレント・レジスタンス 更新日:2025年5月29日 公開日:2025年4月30日 社会派フィクション あらすじ 耳の不自由な青年が描く、異星からの侵略に立ち向かう静かな戦い。 プログラマーになる夢を胸に、熊本から福岡へ移り住んだ聴覚障がいを持つ主人公。しかし現実は厳しく、ハローワークで紹介されたのは介護の仕事だった。本意 […] 続きを読む
アラアラ島のタント・ピエール 13 船が去るとき 公開日:2025年4月23日 創作童話 13 嵐からちょうど一年が経ち、アラアラ国には平和が戻っていました。 港には、サレド国から来た一隻の大きな客船が停まっていました。 その船は、タント・ピエールが故郷に帰るために乗る船でした。 クリオ少年や、タントと一緒に […] 続きを読む
アラアラ島のタント・ピエール 12 守護者の導き 更新日:2025年4月21日 公開日:2025年4月16日 創作童話 12 タント・ピエールは、アラアラ島に取り残されてしまいました。 空はどんよりと曇り、風が強く吹き始めていた。嵐が近づいているのを肌で感じます。 海は荒れ始め、大きな波が立ち、港の小船が揺れる様子が遠くに見えました。 タ […] 続きを読む
アラアラ島のタント・ピエール 11 取り残されたタント大臣 公開日:2025年4月9日 創作童話 11 アラアラ島では、人々が次々と船に乗り込み、島を離れていく姿が見られました。 嵐の前触れで風が強く、波も激しくうねっています。 港では、小さな帆船が何隻も揺れながら出港を待っていました。 マストには帆が畳まれ、多くは […] 続きを読む
アラアラ島のタント・ピエール 10 命をつなぐ船 公開日:2025年4月2日 創作童話 10 タントは船がほぼ完成すると、次は島民の避難を指揮する重要な役目を担うことになりました。 しかし、耳が聞こえないタントにとって、大勢の人々に指示を伝えるのは簡単なことではありませんでした。 迫り来る嵐の前触れに風は刻 […] 続きを読む