おしゃべりドラゴ

くすっと笑って、心もホッコリ。笑いと感動のストーリー

「児童小説」の記事一覧

故郷へのカウントダウン 11 先客

11 先客 一行は丘を下りて、海に向かって歩き始めた。 だが、その途中で、彼らは驚くべき光景を目にした。 それは、カプセルのような形をした物体だった。 彼らの乗っていた宇宙船の救命カプセルではなかった。 別の宇宙船の救命 […]

故郷へのカウントダウン 9 闇夜の赤い眼

9 闇夜の赤い眼 夜が更け、カプセルの外は闇に包まれた。 カプセルの中は、天井のほのかな光が室内をぼんやりと照らしていた。 日没し、カプセルの外に異変があった。 夜を待ち受けたように、得体の知れない生物がカプセルの周囲を […]

故郷へのカウントダウン 8 レオの笑顔

8 レオの笑顔 『ねぇ、脇田さんって、変わっているね』 マリコはユキオにそう言った。二人は不時着した星の海岸にある避難カプセルの中にいた。 カプセルは母船から分離されたもので、生存者たちの唯一の安全な場所だった。 『そう […]

故郷へのカウントダウン 5 退屈な宇宙の旅

5 退屈な宇宙の旅 結局、宇宙旅客船ノーヴァは予定より三十分程遅れて、地球を後にしたのだった。   脇田はマリコのはしゃぎ声で眠りを妨げられ、しばらくぼんやりとしていた。 マリコの席にはユキオというろうの少年が、遊び相手 […]

故郷へのカウントダウン 4  絵描きと音楽家

4 絵描きと音楽家 客室。 船が飛び立つ直前、パーサーに呼び出された猫背の男が席を外した。 マリコはその男の名前がジョージ・デラクだと知った。 「ジョージ・デラク…」と彼女はつぶやいた。 「どうしてパーサーはあの人と親し […]

故郷へのカウントダウン 2 マリコと猫背の男

2 マリコと猫背の男 出航間際になって、さらに二人の男性が入ってきた。 背の高い男性は奥の方へ、猫背の男は、マリコの向かいに座った。 マリコは抱いていた膝を降ろして、今度は軽く腕を組んだ。 「いやぁ、暑い、暑い」 猫背は […]