故郷へのカウントダウン 11 先客 公開日:2023年12月13日 児童小説 11 先客 一行は丘を下りて、海に向かって歩き始めた。 だが、その途中で、彼らは驚くべき光景を目にした。 それは、カプセルのような形をした物体だった。 彼らの乗っていた宇宙船の救命カプセルではなかった。 別の宇宙船の救命 […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 10 ストレンジ・ワールド 公開日:2023年12月6日 児童小説未分類 10 ストレンジ・ワールド 脇田はカプセルの窓から外を見た。 目に入るのは、赤く燃えるような空と、奇妙な形をした岩や植物だけだった。 ここは本当にマリナスなのだろうか。彼はそう疑問に思思った。 隕石によって船は大破し、彼 […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 9 闇夜の赤い眼 公開日:2023年11月29日 児童小説 9 闇夜の赤い眼 夜が更け、カプセルの外は闇に包まれた。 カプセルの中は、天井のほのかな光が室内をぼんやりと照らしていた。 日没し、カプセルの外に異変があった。 夜を待ち受けたように、得体の知れない生物がカプセルの周囲を […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 8 レオの笑顔 公開日:2023年11月22日 児童小説 8 レオの笑顔 『ねぇ、脇田さんって、変わっているね』 マリコはユキオにそう言った。二人は不時着した星の海岸にある避難カプセルの中にいた。 カプセルは母船から分離されたもので、生存者たちの唯一の安全な場所だった。 『そう […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 7 黒い海に沈みゆく船 公開日:2023年11月15日 児童小説 7 黒い海に沈みゆく船 海の色が、どことなくおかしかった。 空はすっかり晴れ上がっているというのに、まるで分厚い雲が影を落としたような真っ黒い海だった。 森の木々も、雑草も、目につくものすべてが暗く息づいていた。 結局、 […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 6 ジョージ・デラクの決断 公開日:2023年11月8日 児童小説 6 ジョージ・デラクの決断 宇宙船はマリナスに入港する二日前、突然の危機に直面した。 それは何の前触れもなく、人々に襲いかかった。 「キャー!」 客室が左に大きく傾き、船客は座席から放り出された。 通路にいた客は、身体の […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 5 退屈な宇宙の旅 更新日:2023年11月2日 公開日:2023年11月1日 児童小説 5 退屈な宇宙の旅 結局、宇宙旅客船ノーヴァは予定より三十分程遅れて、地球を後にしたのだった。 脇田はマリコのはしゃぎ声で眠りを妨げられ、しばらくぼんやりとしていた。 マリコの席にはユキオというろうの少年が、遊び相手 […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 4 絵描きと音楽家 更新日:2023年11月3日 公開日:2023年10月25日 児童小説 4 絵描きと音楽家 客室。 船が飛び立つ直前、パーサーに呼び出された猫背の男が席を外した。 マリコはその男の名前がジョージ・デラクだと知った。 「ジョージ・デラク…」と彼女はつぶやいた。 「どうしてパーサーはあの人と親し […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 3 機長はどこ行った? 公開日:2023年10月18日 児童小説 3 機長はどこ行った? コクピットは出航前だというのに、やけに騒がしかった。 深くて重い鼻息が、まるでエンジンの音のように室内にとどろいている。 時折、鼻をすする音や咳払いの音が混ざり合い、コクピットは乱雑な雰囲気に包ま […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 2 マリコと猫背の男 更新日:2023年11月3日 公開日:2023年10月11日 児童小説 2 マリコと猫背の男 出航間際になって、さらに二人の男性が入ってきた。 背の高い男性は奥の方へ、猫背の男は、マリコの向かいに座った。 マリコは抱いていた膝を降ろして、今度は軽く腕を組んだ。 「いやぁ、暑い、暑い」 猫背は […] 続きを読む