サイレント・レジスタンス 2 夕暮れの選択肢 更新日:2025年5月8日 公開日:2025年5月7日 児童小説 2 ハローワークを出ると、僕はビル街をぶらぶらと歩き始めた。 近くには、すぐに面接してくれる老人ホームがあるらしい。一時間後に担当者と会う予定だった。 空はどんよりと曇っている。この街に来て、もう三年になる。 パソコンが […] 続きを読む
サイレント・レジスタンス 1 音のない街角で 公開日:2025年4月30日 児童小説 1 灰色のコンクリート壁が道の両側に伸び、無秩序な落書きがその表面を覆っていた。 壁に挟まれた細い道の先で、大きなトンネルが口を開けている。一台の大型トレーラーがエンジンを唸らせながら、ゆっくりとその暗がりに吸い込まれて […] 続きを読む
サイレント・レジスタンス 更新日:2025年5月8日 公開日:2025年4月30日 児童小説 あらすじ 耳の不自由な青年が描く、異星からの侵略に立ち向かう静かな戦い。 プログラマーになる夢を胸に、熊本から福岡へ移り住んだ聴覚障がいを持つ主人公。しかし現実は厳しく、ハローワークで紹介されたのは介護の仕事だった。本意 […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 41 白衣とウェディングドレス 公開日:2025年1月22日 児童小説 41 ケンジとエミリーが研究所に着いた時、結婚式はすでに始まっていた。 春の陽射しが研究所の白壁を優しく照らし、玄関前には蝶が舞うように大勢の人々が集まっていた。 数台のテレビカメラが、この小さな町の幸せな出来事を記録し […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 40 帰るべき場所 公開日:2025年1月15日 児童小説 40 ウインドベル自然科学研究所で、所長の結婚式が行われようとしていた。 空は晴れ渡っている。 雲ひとつない。 おまけに研究所の庭には、満開のチェリー・ブラッサム。 K4地区の人々の嬉々とした笑顔。 経費節約のつもりで教 […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 39 再生の春 公開日:2025年1月8日 児童小説 39 春の陽気が街に戻ってきた。 チェインバーグ市の中心部では、閉ざされていたシャッターが一つ、また一つと開かれていく。 商店街には人々の姿が戻り始め、かつての活気を取り戻そうとしていた。 パルチノン食品加工工場の事件か […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 38 ネクロバズ 公開日:2025年1月1日 児童小説 38 大バエは、チェインバーグ市街までやってきている。 商店街は全てシャッターを降ろしていた。 リプリーは繁華街を歩いていた。 時折、銃殺された大バエの死骸に出くわした。 大バエはマスメディアでは「ネクロバズ」という呼び […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 37 襲来 更新日:2024年12月26日 公開日:2024年12月25日 児童小説 37 その日の朝、小学生の男の子は、いつものように学校へ向かう途中でコンビニに立ち寄った。 店内のテレビから流れるニュースに、彼は足を止めた。 「チェインバーグ国定公園で発生した大規模な山火事の煙が、市街地まで到達してい […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 35 紫煙の監視者 公開日:2024年12月11日 児童小説 35 チェインバーグの深夜。禁猟区は荘厳な静けさに包まれていた。 密林の中を一台の大型トラックが駆け抜けて行った。トラックのキャビンは、木々の隙間を縫う月の光りを浴びて、まだら模様が流れていった。 トラックが森の奥のひら […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 34 ケンジの選択 公開日:2024年12月4日 児童小説 34 ケンジはレストラン「サム」へ顔を見せた。 リンダはチェインバーグからサムの元へ戻ってきているはずだったが、また勤めに出たとのことだった。 チェインバーグの頃に手にした賞与に味をしめて、近所のIC工場で働き出した。 […] 続きを読む