故郷へのカウントダウン 9 闇夜の赤い眼 公開日:2023年11月29日 児童小説 9 闇夜の赤い眼 夜が更け、カプセルの外は闇に包まれた。 カプセルの中は、天井のほのかな光が室内をぼんやりと照らしていた。 日没し、カプセルの外に異変があった。 夜を待ち受けたように、得体の知れない生物がカプセルの周囲を […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 8 レオの笑顔 公開日:2023年11月22日 児童小説 8 レオの笑顔 『ねぇ、脇田さんって、変わっているね』 マリコはユキオにそう言った。二人は不時着した星の海岸にある避難カプセルの中にいた。 カプセルは母船から分離されたもので、生存者たちの唯一の安全な場所だった。 『そう […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 7 黒い海に沈みゆく船 公開日:2023年11月15日 児童小説 7 黒い海に沈みゆく船 海の色が、どことなくおかしかった。 空はすっかり晴れ上がっているというのに、まるで分厚い雲が影を落としたような真っ黒い海だった。 森の木々も、雑草も、目につくものすべてが暗く息づいていた。 結局、 […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 6 ジョージ・デラクの決断 公開日:2023年11月8日 児童小説 6 ジョージ・デラクの決断 宇宙船はマリナスに入港する二日前、突然の危機に直面した。 それは何の前触れもなく、人々に襲いかかった。 「キャー!」 客室が左に大きく傾き、船客は座席から放り出された。 通路にいた客は、身体の […] 続きを読む
故郷へのカウントダウン 5 退屈な宇宙の旅 更新日:2023年11月2日 公開日:2023年11月1日 児童小説 5 退屈な宇宙の旅 結局、宇宙旅客船ノーヴァは予定より三十分程遅れて、地球を後にしたのだった。 脇田はマリコのはしゃぎ声で眠りを妨げられ、しばらくぼんやりとしていた。 マリコの席にはユキオというろうの少年が、遊び相手 […] 続きを読む