ネクロバズとむくつけき勇者たち 25 リプリー警部補の嘘だらけな朝 公開日:2024年10月2日 児童小説 25 翌朝、目が覚めると、ケンジはすぐにベッドから降りた。 窓の光りが、まだ焦点の定まらない視線をいたずらにもてあそんだ。 カーテンを開けてから、リプリーの部屋へ行ってみた。 リプリーの部屋は、応答がなかった。 「そのお […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 24 リンダからの手紙 公開日:2024年9月25日 児童小説 24 ケンジは昼下がりに、ホテルから外出して、リンダのアパートへ立ち寄った。 別に用事がなくても、なんとなく訪れてしまう状況というものが、人間にはある。 本当はさっさとチェックアウトしてウインドベルに帰りたかったが、あの […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 23 泥のように眠る 公開日:2024年9月18日 児童小説 23 リプリーが国定公園から病院へ引き返した時、すでに日暮れていた。 病棟の各棟は、街灯の中にぼんやりとたたずんでいた。 スバルは外来駐車場にとめてあった。 隣の白いセダンと比べると、リプリーの車は、まるで爆撃をかいくぐ […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 22 血塗られた決意 公開日:2024年9月11日 児童小説 22 スバルにたどり着いて街へ引き返す時、あの忌まわしい群れが、道端で餌を啄んでいる光景に出食わした。 ヘッドライトが照らし出す煌々とした道路に、不吉な影が落ちていた。 腐臭が鼻を突き、リプリーは思わず顔をしかめた。 ま […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 21 パルチノンの置き土産 公開日:2024年9月4日 児童小説 21 ほとんどのハエが飛び立ち、その姿が見えなくなった後、リプリーは滝壺の近くに留まっている一匹を狙い定めた。 そのハエは片方の羽根を折っていて、飛べずにいた。 近づくと、ハエは口から管状のものを突き出した。 「こいつで […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 20 おぞましき飛翔 更新日:2024年8月30日 公開日:2024年8月28日 未分類 20 滝壺から離れてすぐに、リプリーは戦懐が走った。 まだ巣穴を確認できなかったが、どこからか重い羽音が聞こえてくるのだ。 一匹の黒い鳥が森の中から飛んできた。 その鳥は、滝壺の向こう側へ姿を消した。 鳥ではなかった。 […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 19 禁猟区の惨劇 公開日:2024年8月21日 児童小説 19 その頃、リプリーとディックは、禁猟区の森をスバルで走っていた。 リプリーは出し抜けにデカイくしゃみをした。 まるで鼻づまりのカバみたいな、超特大のくしゃみだった。 ディックはステアリングを切りそこね、スバルを路肩に […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 18 夕暮れのレッド・ブーツ 公開日:2024年8月14日 児童小説 18 リンダは近所の工場に勤めていて、この時は出勤時間が迫っていた。 時刻は16時20分。 あと一時間で準夜勤の交代時間なの、とリンダは言った。 中学生のアレンは冬休みで、一日中家にいるということだった。 エミリーから頼 […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 17 招かれざる訪問者 公開日:2024年8月7日 児童小説 17 ケンジは病院の煉瓦門を抜け、受付で聞いた住所に向かうバスを待った。 時刻表を見る間もなく、バスはやってきた。 彼は運転手の後ろの席に座った。 シートに腰を下ろした瞬間、体中の疲れが押し寄せてきた。 しばらくすると、 […] 続きを読む
ネクロバズとむくつけき勇者たち 16 異化学物質 公開日:2024年7月31日 児童小説 16 リプリーと別れた後、ケンジはオットーの病室にいた。 オットーはあれから、処置室で点滴を受けているらしい。 ケンジは備付けの折り畳み椅子に座り待ち続けていた。 オットー所長は、衣類が全然足りないようだった。 ケンジが […] 続きを読む